福渡温泉「岩の湯」(栃木県)

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2015年6月1日、那須塩原市の塩原温泉郷にある共同露天風呂「不動の湯」と「不動の足湯」が無期限閉鎖となりました。那須塩原の自然に囲まれた露天風呂としてはもちろん、近年ではその数も少なくなった“混浴温泉”として、全国の温泉ファンから人気を集めていた場所です。

公序良俗に触れる行為を行う集団が定期的に訪れたり、俗に“ワニ”とも呼ばれる、のぞき目的と思われる不審人物が出没するなどの事態が報告され、苦情が相次いだため、苦渋の決断として露天風呂の湯が全て抜かれる結果になってしまいました。

定期的に不適切な行為をしていたのは1グループのみという話ですが、日本の伝統でもある共同温泉が減るというのは温泉ファンとして残念なだけでなく、不動の湯は栃木県のポスターでも紹介されるなど塩原温泉郷にとっても重要な観光資源だっただけに、今後の観光業への打撃も懸念されます。

不動の湯へ向かう渡不動吊橋を渡ると、もう一つ温泉があることに気づきます。箒川(ほうきがわ)の川岸にある露天風呂です。これが不動の湯と同じ混浴の共同温泉これが不動の湯と同じ混浴の共同温泉「岩の湯」。

屋根が付いているところは衣服置き場です。2つの湯船とも底から源泉が湧き出ていて、奥の湯船はさらに上から高温の源泉が流れている100%源泉かけ流しの野天混浴風呂です。熱すぎて、足しか入れられませんでした。

不動の湯はここからさらに5分ほど森林浴を楽しみながら川沿いを歩いた先にあります。森林の中に隠れるようにあらわれます。

これだけ青々とした木々に囲まれるように佇む露天風呂はなかなかお目にかかることはできなかったはずです。男女共用の脱衣スペースの先には整備された大きめの湯船があり、若干赤褐色のまじる湯が太い管からなみなみと注がれていました。

不動の湯が森の中にあるのに対して、岩の湯は川の真横に有り、脱衣所こそ屋根付きの小屋で周りから見えないようになっていますが、浴槽は180度ほぼ丸見えです。

それでも100%天然かけ流しの白濁した泉質は身体に良いこと間違いなしということで、明るい時間でも入浴する人がかなりいます。

手前の湯船のお湯は少し白っぽい緑色、奥のお湯は緑っぽい白濁色です。お湯はやや白濁していて、少し熱めです。泉質は食塩泉だそうです。川の流れを見ながらお湯に浸かるのは気持ちがいいです。

共同浴場や混浴温泉が閉鎖される理由の多くが、「不動の湯」閉鎖の原因でもある入浴客のモラルの欠如にあるとも言われます。日本の伝統でもある共同温泉がこれ以上なくならないためにも、マナーを守って温泉を楽しみたいものです。

共同湯から宿の貸切風呂になった『青葉の湯』
畑下(はたおり)地区にあり、山ゆりの吊橋を渡って行きます。のぞき被害や盗難が続いていたことから、自治会としても管理しきれず数年前に閉鎖され、その後近くにある宿「湧花庵」の所有となったとのことです。

風呂の名も『楓の湯』に変わり、宿の貸切露天風呂として使用されている。箒川を眼下に眺めながらの湯浴みは変化ありませんが、この湯を楽しむのにはハードルがけっこう高くなってしまいました。

古町地区にある『もみじの湯』
「塩原もの語り館」から紅の吊橋を渡ったところにある。こちらも盗難やのぞき被害があったうえに、2015年春に利用者の溺死事故があり、夜間(午後7時~午前7時)入浴禁止となったようです。

9月の大雨による増水時にも被害にあって一時使用できなくなったそうですが、10月に再開したそうです。 泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、あたたまる湯のはずなのだが、奥が40℃程度、手前が37℃ほどで、少々ぬる過ぎでした。

土日のため入浴客はそれなりにあり、湯は・・・・が、ついつい長湯をしてしまいました。 協力金100円を入れる箱があるが、目立たないせいか入浴客はほとんど気付かないようです。管理の苦労が伺えます。感謝。

そして福渡地区にあるのが『岩の湯』と『不動の湯』。こちらも不動吊橋を渡っていきます。『岩の湯』は落石事故のため手前側が閉鎖されていた。

両方とも無料で入浴できます(午前6時30分から午後9時まで、女性は湯浴み着かバスタオル着用)。 岩のあちこちから湧いているナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉の湯は42℃の適温で、心地がいいです。

こちらに地元の人たちが愛するのもわかります。 地元の話だと、「この崖の上にたまに鹿が来るんだよ。だから落石には注意しなくちゃならん」とのこと。

これだけの自噴泉。入ってしまえば落石のことも忘れてしまいますが、いろいろ気遣いをし、話しかけてくれる地元の人たちの優しさが、心に沁みます・・・・。

『不動の湯』は、閉鎖中で湯が抜かれていた・・・・。これから塩原に行こうと思っている人は、要注意デス(再開は春予定)。この新鮮なドバドバ湯(ナトリウム・カルシウム―塩化物・炭酸水素塩泉)なんとも寂しい情景です。